MotoGPのアイコンになったこと

バレンティーノ・ロッシの名言

MotoGPの世界で輝かしい実績を残し、2021年に惜しまれつつも引退したのがバレンティーノ・ロッシ選手です。
通算勝利115勝(最高峰クラスでは89勝)、チャンピオンに輝くこと合計9回。
まさに伝説の存在といっても過言ではない実績を誇っている彼は現役中に様々な名言を残しています。

例えば2008年、当時ヤマハに所属していた彼は圧倒的な強さでチャンピオンに輝きます。
前年までライブルのケーシー・ストーナーの後塵を拝するなど少々不本意なシーズンを送っていた彼でしたが、この年には年間9勝の最多勝利記録を樹立しました。
その際には、「この記録を今後30年は誰にも超えてほしくない」との発言を残しています。

加えて「記録更新まで時間がかかっても申し訳なかった」とも言っています。
自分には最多勝利記録を更新する能力も、資格もあることを自負しているロッシならではの名言と言えるでしょう。

MotoGPのアイコンに

こうしたMotoGPの第一人者としての彼の自負は、引退発表時の発言にもあらわれています。
その席で「これまでのライダーとしてのキャリアで最高だと思っていることは何か?」の質問に対して「MotoGPのアイコンになったこと」と答えたのです。
さらに加えて、「ぼくのキャリアを追いかけるためにMotoGPを見始めた人がたくさんいたことが素晴らしい」とも言っています。
簡単に言えば「自分の活躍のおかげでMotoGPがよりメジャーなものになり、自分はモータースポーツの普及に貢献することができた」ということなのでしょう。

もし同じことをソコソコの成績を残したライダーが言ったとしたら、少々傲慢と受け止められてしまうかもしれません。
または、自意識過剰、自己評価が高すぎると批判されてしまうかもしれません。
しかしそうした意見を封じ込めるだけの圧倒的な成績がロッシにはあり、だからこそ彼はこうした発言を堂々と言ったのでしょう。

また、この発言は現役時代からMotoGPの第一人者として自分の成績だけでなく、つねにMotoGP全体の発展を意識してバイクに乗っていたことを推測させます。
となれば当然プレッシャーも大きかったはずで、そうした中で文句なしの結果を残した彼はやはり特別な存在なのでしょう。
そしてもうひとつ、この「MotoGPのアイコンになった」発言について「ライダーにとってはレース中で起こることや結果が重要だけれども、自分としてはアイコンになれたことが素晴らしく嬉しいことだ」と言っています。

彼には他の名言として「ぼくは確かに成長したけれども、もっと成長しないと。自分を完璧だとおもったら終わりだから」などもあります。
これらの名言からはつねに高い意識と目標を持って競技の望んでいた求道者としての一面を垣間見ることができるのではないでしょうか。